LINE公式アカウントへの自動配信で出来る便利な3つの手法

LINE公式アカウント(旧LINE@)を企業や店舗、学校等で取り入れているところも多いと思います。

今回はLINE公式アカウントへの「お知らせ投稿」を自動で出来る方法をいくつか試してみましたのでシェアしたいと思います。

主な内容は3項目です。

LINE公式アカウントへの自動配信


①一般情報(気象情報やニュースなど)の取得・自動定期配信
②商品の在庫・お店の混雑具合などの固有情報の配信
③店舗に足を運んでくれた人を検知して自動メッセージ発行

一般情報(気象情報やニュースなど)の取得・自動定期配信

一般情報の取得といっても多種多様ですがAPI提供(情報取得出来るように一般向けに公開している)ものであれば基本的には何でも可能です。よくあるものとしては、「気象情報」「交通情報」「ニュース」などがあります。

一般情報を取得し、配信するという参考として、気象情報を取り上げますが、LINEの場合は「LINEお天気」などのサービスもありますので。実際には交通情報であったり、ニュースであったり任意の取得出来る情報なら配信出来るとお考えいただければと思います。

技術的な取得・配信の手法について興味のある方は以下をご覧頂ければと思います。

PythonでAPIからの取得データをLINE MessagingAPIでLINE通知する

主な概要

上記の内容を大まかに説明します。上記記事では「Open Weather Map」という世界中の気象情報を提供しているAPI(商用利用可能)を利用してみました。

ちなみに「Open Weather Map」では100件/日であればBasic0円プランで利用できます。世界中の都市レベルでの気象情報を取得し、取得した内容をLINE公式アカウント宛に通知を送信します。

地域の気象情報を3時間置きの天気予報などが取得出来ます。記事内では日本の京都市の天気を(現在以降の本日分3時間置き)を取得し、LINEに通知させるような処理としてみました。

実際にLINEに通知するとこのようになります。絵文字も問題なく通知する事ができました。これらの具体的な使用例を考えると、以下のような使い方が可能です。

  • 学校であれば生徒に対して、登校・下校時の予報を毎日朝に送信する
  • 降水確率が高い時だけ通知を送る 等

他の情報を使えば、毎朝に渋滞情報を送信したり、情報を組み合わせることで店舗スタッフに来店の混雑予測を送ることも出来そうです。

ちなみにシステム(LINE Massaging APIというLINEの開発者向けサービス使用)から通知を送る際に、文中に使える絵文字の種類は以下の通りです。
https://developers.line.biz/media/messaging-api/emoji-list.pdf

絵文字同様にスタンプも送る事が可能ですが、使えるスタンプは以下に限られています。
https://developers.line.biz/media/messaging-api/sticker_list.pdf

商品の在庫・お店の混雑具合などの固有情報の配信

先に記載した一般的な情報はLINE内のサービスなどで代用可能なものもありますので、実際の有用性は少ないかもしれません。

しかし、お店の場合だと商品の在庫情報や店舗の混雑情報など、学校だと授業の休校など固有の情報と連携して通知を送ることも可能です。

具体的には各組織で使用しているデータベースなどと連携する事になりますが、他にも会社で共有しているGoogleカレンダースプレッドシートの内容に変更があった場合にはLINEに共有の通知を送るといった事も可能です。

技術的な取得・配信の手法について興味のある方は以下をご覧頂ければと思います。

Google Apps Script(GAS)でGoogleスプレッドシートからLINEに通知

主な概要

何か別サーバから取得した情報をLINEに通知する記事を書こうと思ったのですが、あまりに単純で記事のネタにするほどでも無かったので、Google Apps Script(GAS)というGoogleのサービスを活用してGoogleスプレッドシートからの読みとった情報をLINEに通知してみました。

実際にLINEに通知するとこのようになります。何度か色々なテストしましたので、連続で投稿されているような画像ですが、スプレッドシートのセルに記載した’あいうえお‘という文字列を取得してLINEに通知しています。

GoogleのサービスであるGoogle Apps Script(GAS)を活用してみた理由としては、サーバなどを新たに設営せずともGoogleのアカウントがあれば簡単に作れるのでクラウド上で全てが完結できる手軽さがあり、GoogleスプレッドシートGmailなどのGoogleの他のサービスとも親和性が高く連携しやすい点があります。

これらの具体的な使用例を考えると、以下のような使い方が可能です。

  • お店の在庫情報が少なくなったらスタッフにLINE通知を入れる
  • Googleカレンダーの内容が変更されたらLINE通知を入れる
  • GASを使ってチャットボットで客と簡単なやりとりをする
  • スプレッドシートに予定をリスト化しておいてLINEで定期通知する 等

今回はスプレッドシートから情報を取得しましたが、他のサーバ(データベース)などから固有の情報を取得してくるのも処理としては大差ありませんので、固有情報を取得してきたものと置き換えてお考え頂ければと思います。

LINE通知以外にもGoogleカレンダーへの追記スプレッドシートに記録を残したりも可能ですので、色々できそうです。

店舗に足を運んでくれた人を検知して自動メッセージ発行

最近では、ファミレスやコンビニに来店してくれた客のスマホを検知して、スマホアプリ上でクーポンが付与されるようなサービスがあります。これらはビーコン(Beacon)と言われる通信端末を使う事で実現する事ができます。

LINEにもビーコンのサービスがありますが、機能がフルに使えるLINE Beaconというサービスは有料で値段は契約にもよるそうですが割と高額とのことです。

自分で LINE Beacon 対応デバイスを製作することが出来るオープンなビーコン仕様(LINE Simple Beacon)も提供されていますので、こちらを使ってスマホの接近を検知し、LINE公式アカウントに通知する仕組みを作ってみました。

技術的な内容について興味のある方は以下をご覧頂ければと思います。

RaspberryPi4のBLEでLINE Simple Beaconを使った通知システム

主な概要

上記の内容を大まかに説明します。ビーコン端末として、ラズベリーパイという小型のコンピュータをレジの裏などに設置しておき、LINEアプリを入れたスマホを持った人が、レジの近くにやってくるとLINE公式アカウントに任意の通知を飛ばすという仕組みを制作しています。

残念ながら、無料で利用できるオープンなビーコン仕様では、セキュリティ等々の理由でLINE上にクーポンを表示させたりは出来ない仕様のようです。

また、検知するスマホはBluetoothがオンの状態で、なおかつLINEアプリでBeaconをオンにしておかないと検知出来ないのは少し難点かも知れません。他にも、Bluetoothの認識精度・通知タイミングがちょっと怪しい時がありました。

個人で動作を試したりするのはさほど難しくありませんが、ビジネスとして使うにはまだ多少の不安もあるかなと思いました。

まとめ

今回はLINE通知について3つの手法を紹介しました。動作確認的な内容が多めでしたが、データの取得や通知方法を工夫すればビジネス用途としても使えそうです。

今回紹介したもの以外にもまだまだ有用な使い方はあると思いますし、今後LINE内のサービスも拡充されていきそうですので、LINEサービスをビジネスに手軽に取り入れられるサービスは紹介していきたいと思います。